こんにちは!
梅雨が明けて猛暑が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
先日、お墓の前でお勤めをさせて頂いた時、あるお施主様がお墓にお供えするお花を逆に向けてお供えされていました。
通常、お花はお参りする人に【お花の顔】が見えるようにお供えしますが、その方は逆に【お墓の方】に向けられていました。
何故だろうと思い、お施主様に訊ねてみました。
すると、
「ある占い師の方に、『お花は仏様に捧げるものだから、仏様の方(=お墓の方)に向けて下さい。』と言われたので、このようにやっているんです。」
とおっしゃいました。
それを聞いて、「あぁ、なるほど。」と思ったのですが、どのお寺を見てもお花を逆に向けてお供えしているところはないんですね。
お花を供えることの意味に関しては諸説ありますが、その中の一つに、
- 花は仏様の【衣服】に相当するもの
という考え方があります。
となると、【お花の顔】をお墓の方へ向けてしまったら『仏様が衣服を前後反対に着てしまう』ことになってしまいます。
ですから、仏教的には、供える【お花の顔】が私達の方を向いていて間違いではありません。
これからお盆やお彼岸などでお参りにいらっしゃった時には、故人様の好きな色のお花をお供えし、素敵な衣服を着て頂きましょう。
そして、お参りに必要な物があと二つあります。
それは、【お水】と【お線香】です。
お墓には《〇〇家之墓》と彫ってある下の所に丸いくぼみがあります。
「このくぼみは何ですか?」という質問をよく頂きます。
くぼみの部分のことを【水受け】または【水鉢】といいますが、ここを綺麗に掃除をした後には水を注ぎます。
そうすると、
- 水面が『あの世とこの世を繋ぐ鏡』になる
- 綺麗なお水は『仏様が好む供物の一つ』である
と言われていますので、綺麗なお水をお供えするように心がけましょう。
次に【お線香】。
ご自宅のお仏壇や法事室ではお線香を【立てる】ようにしてお供えします。
これは『あの世まで一本道で行けますように』との願いを込めて立てるようにしてお供えします。
しかし、お墓の場合は、お線香を、
- 横に寝かせる
- 火のついている方が『左』になる
ように供えます。
なぜ、このようにお供えするのでしょう?
これは、風でお線香が倒れてしまわないようにするという理由もありますが、他にも、仏教では左側を私達がいる世界、右側は仏様のいる世界を表すからです。
お線香の火が左から右に燃え進んでいくことになるわけですが、これは、
- 私達の世界から仏様の世界に思いが伝わっていく
- 私達がだんだん仏様に近づいていく
という意味があります。
そして、西遊記でおなじみの『三蔵法師【玄奘】』さんという偉いお坊さんがインドから持ち帰ったお経の中に、『仏様は香りを召し上がる』と書かれています。
ですから、お線香が次第に短くなっていくのは、仏様が香りを召し上がっておられるから、と言われています。
また、お供えした食べ物も、実際にその食べ物が減っていくわけではありませんが、仏様はそれらの香りを召し上がっておられる、ということです。
これからお墓参りに来られた時には、
- お花
- お水
- お線香
の3つをぜひお供えするよう心がけてみてください。
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