最近ひそかにブームになっている【精進料理】。
健康食、ダイエット食として注目を集めています。
【精進料理】と聞くと、『お坊さんが食べているもの』というイメージがあると思いますが、はたして日本のお坊さんは普段から【精進料理】を食べているんでしょうか?
日本のお坊さんの多くは、修行中は謹んで【精進料理】を頂きますが、それ以外の時は基本的にお肉やお魚も頂いています。
もし昔の偉いお坊さんが見たら「こんなの仏教じゃないよ」と怒られてしまうかもしれませんね。
【精進料理】とは、仏教で大切にしている戒律の一つ『不殺生(ふせっしょう)戒=むやみに生き物を殺さない』に基づき、動物性の食品を使わずに植物性の食品だけを使って調理した料理のことをいいます。
でも・・・じつは・・・仏教を開いたお釈迦様はお肉を召し上がっていたんです。
「えーっ!!」とビックリされる方もいらっしゃるかもしれませんね。
【涅槃経】というお経には『鍛冶屋のチュンダさんからお釈迦様に豚肉の布施があった』と書かれています。
とはいえ、常にお肉を食べていいわけではなく、三つの条件が揃った時にはじめて食べてよいとされています。
三つの条件を満たしたお肉のことを【三種の浄肉(さんしゅのじょうにく)】といいます。
三種とは、
- 自分の為に動物が殺されるところを見ていない
- 自分の為に動物が殺されたと聞いていない
- 上記の二点に疑いがない
のことをいいます。
例えば、家族の為に作った【肉じゃが】の量が多すぎて残ってしまい、そこへ偶然通りかかったお坊さんに肉じゃがを食べてもらったとします。
このような場合、肉じゃがのお肉は三つの条件を満たしているので、お坊さんはそれを食べることが許されました。
他人の食事の【余り】を頂くのだから、それは殺生にならないということなのです。
しかし、私たちが頂く食べ物は何であれ『いのち』です。
私たちが生きているのは、お肉や野菜など多くの『いのち』を頂いて成り立っています。
食事を頂く前に、今食べようとしている『いのち』について考えてみて下さい。
きっと『いのち』に感謝せずにはいられなくなるのではないでしょうか。