ときどき檀家様から、
「法事をする日は【仏滅】や【友引】でも大丈夫でしょうか?」
という質問を頂くことがあります。
お葬式の場合は【友引】の日を避ける地域も多いので、法事についても同じようにお考えなのだと思います。
また、【仏滅】は『縁起の悪い日』というイメージが強いので、「仏様の供養をするにも不適切なのでは?」と心配されるのでしょう。
このような【仏滅】や【友引】という考え方は『六曜(ろくよう)』といい、中国の《日や時間の吉凶を占う》考え方です。
はたして、法事の日取りを決める時には【仏滅】や【友引】といったような『六曜』を考慮するべきなのでしょうか?
《法事は【仏滅】や【友引】の日でも行えるの?》
檀家様からの問い合わせがあったように、『法事をする日が【仏滅】や【友引】でも問題はないのか?』と疑問に思われる方はとても多いです。
結論を申しますと、法事は【仏滅】や【友引】でも問題なく執り行えます。
先ほども言いましたように、【仏滅】や【友引】というのは、中国から伝わった『六曜』と呼ばれる《日や時間の吉凶を占う》考え方です。
【仏滅】には《仏》という字が使われていたり、【友引】にはお葬式をしないといったように、仏教と六曜は関係がありそうですよね。
しかし、実際のところ仏教と六曜には何の関係もありません。
何の関係もないのですが、【仏が滅するような悪い日】とか【友を引いて行ってしまう日】というように『縁起が悪いと解釈できてしまう日』だからなるべく避けた方がいいかもね、ということなのです。
ですから、【仏滅】や【友引】の日に法事を行うことは、仏教の観点からすればまったく問題はありません。
また、仏教には『涅槃経(ねはんきょう)』という有名なお経があり、その中に、
『如来の法の中に、吉日良辰を選ぶこと無し』※引用元:涅槃経
という一文があります。
これは、「仏様の教えの中には、日の良し悪しを選ぶことはない。」ということです。
つまり「私たちの未来というのは《日の吉凶》によって決まるのではなく、私たちの《行い》によって決まる。」と言っているのです。
このように、お経の中でも「仏教には《日の吉凶》なんて関係ないよ。」と言っているわけですから、仏事において『六曜』は関係ないといえます。
《法事は【仏滅】や【友引】でも問題なく行えます》
法事をする時には『六曜』のことを気にする必要はありません。
なぜなら、本来はまったく関係がないもの同士を日本独自にアレンジして融合させているだけだからです。
ですから、法事は【仏滅】や【友引】でも問題なく行えます。
法事の日取りは、『六曜』ではなく【参列される皆様の都合】の方を考えて予定を組むようにしましょう。