法事とは、今は亡き大切なご家族を数年ごとにご供養することです。
ときどき、「なぜ法事を行うのですか?」という質問をされることがあります。
あなたも同じ疑問をもっておられますか?
法事は、
- 故人を供養する(故人の仏道修行の後押しをする)
- 私たちが仏様から恵みを頂く
ために執り行うものです。
じつは、法事を行うことで、故人だけではなく、あなたにとっても『良いこと』があります。
《故人を供養する(故人の仏道修行の後押しをする)》
法事を行うのは、あなたもご存じのように『故人を供養するため』です。
では、【故人を供養する】とはどういうことなのでしょうか?
故人の供養とは、あの世で修行中の故人のために法要を執り行い、お香(線香)や花や供物などをお供えし、感謝の気持ちを改めてお伝えして、故人の修行の後押しをすることです。
故人は仏の世界(あの世)において、如来様や菩薩様のお導きのもと【仏道修行】をなさっておられます。
故人は【戒律】を守りながら修行を続けることで『功徳(くどく)』を積み上げていきます。
この『功徳』を非常に長い年月をかけて少しずつ積み上げ続け、ある段階まで到達してようやく立派な仏様となられます。
しかし、功徳を積み上げているのは故人だけではありません。
法要を執り行う側の『私たち』もまた功徳を積み上げています。
法要を執り行うことは、『善行(ぜんぎょう)』と呼ばれる【仏教的に良い行い】であり、これにより私たちも功徳を積むことができます。
しかも、私たちが積み上げた功徳の一部を故人へ回し向けることができるのです。
故人は【自ら積み上げた功徳】と【私たちから向けられた功徳】の両方の功徳を積み上げることができます。
つまり、法事を執り行うことによって、故人の功徳をよりたくさん積み上げることできるので、それが修行の後押しとなるということです。
《私たちが仏様から恵みを頂く》
法事を執り行うことで『私たちが仏様からより多くの恵みを頂くことができる』ともいわれています。
善行をする人には、仏様からより多くの【恵み】が注がれるそうです。
仏様からの【恵み】とは、
- 救済⇒あなたが困った時には、いつでも仏様から救いの手が差し伸べられる。
- お導き⇒あなたが何かの判断に迷った時には、仏様が正しい方へと導いてくれる。
- 成就⇒あなたが願うことを叶えてくれる。※願いがすべて叶うわけではありません。
といったものです。
つまり、私たちが故人の供養を行うことによって、施主をはじめ参列者全員に仏様の恵みが注がれる、というわけです。
私たちに恵みを注いで下さるのは仏様だけではなく、故人も同じように注いで下さいます。
法事などで私たちが積み上げた功徳を故人に回し向けることを『回向(えこう)』といいます。
そして、私たちが故人に回し向けた功徳のうち、故人は《7分の1》だけを受け取るそうです。
では、残りの《7分の6》の功徳はどうなるのでしょうか?
残りの《7分の6》の功徳は私たちに【恵み】という形で返して下さいます。
これを『七分獲一(しちぶんぎゃくいつ)』といいます。
故人は、私たちからの供養を受けながらも、その大部分を恵みとして返して下さるのです。
《塔婆を建てると更なる供養になる》
法事を執り行うと、ほとんどの場合は【塔婆(とうば)】を建てます。
塔婆を建てることは、お墓を建てることと同じような意味があり、それはつまり『故人に対して最高級の供養をする』ことを意味します。
故人に対して最高級の供養をするということは、私たちも最高級の恵みを頂けることになるのです。
せっかく法事で親戚の方々が集まっているのですから、できるだけ多くの人に『最高級の供養』をして頂きたいと思います。
塔婆に関する詳細は、コチラの記事をご覧ください。↓
《法事を執り行うと、故人と私たちの双方に『良いこと』がある》
このように、法事を執り行うことは、
- 故人の修行の後押しになる
- 私たちが仏様や故人から恵みを頂く
というように、故人と私たちの双方にとって『良いこと』があります。
法事は、故人にとっては修行の励みとなり、私たちにとってはいろんな恵みを受け取る貴重な機会となります。
法事を行い、あなたやご親戚のみなさんで数年に一度のとても有意義な時間を過ごして頂きたいと思います。
【金剛院からのお知らせ】
金剛院では、檀家様以外の方でもご葬儀やご法事のお申込みを受け付けております。
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※《注意》金剛院にてご供養を行う場合、必ず当院の宗旨(真言宗智山派)でのご供養となります。