仏事において最も基本的な作法といえるものが『合掌(がっしょう)』です。
お葬式、ご法事、お墓参り、お仏壇参り、通常の参拝の時など、仏事のほとんどの場面で合掌をします。
この合掌というものにはどんな意味があるのでしょうか?
また、なぜ仏事において合掌をする必要があるのでしょうか?
《合掌をする意味》
合掌とは、字のとおり【左右両方の手のひら同士を合わせる】という仏事において基本中の基本となる作法です。
どうして両手をこのような形にするのでしょうか?
仏教の発祥の地であるインドでは、
- 右手は清らかなもの=清浄
- 左手は清らかではないもの=不浄
という考え方をします。
これを仏教的な観点で見ると、
- 右手は仏様=清浄
- 左手は私たち=不浄
となります。
つまり、両手を合わせることは、
『仏様と私たちが一体になる』
ということを意味しています。
仏様と私たちが一体になるとどうなるのでしょうか?
一体になると、仏様の清らかな力で私たちの身が清められます。
つまり、合掌というのは、
仏様の力によって【自分の身を清める】
ために行うものなのです。
《仏事で手を合わせる理由》
お葬式や法事でお焼香をする際には、必ず合掌をしますよね。
その他にも、お寺の本堂、お墓、お仏壇などをお参りする時にも合掌をすると思います。
なぜ、このような仏事の際には【合掌】をするのでしょうか?
それは、
- さまざまな仏様
- 亡くなられた方
という【敬うべき対象】を目の前にしているからです。
目の前に【敬うべき対象】がいらっしゃるわけですから、私たちは身を清めるのが礼儀である、ということなんです。
ですから、お焼香やお線香などのお香を供える時、寺院へのお参りする時などは、必ず合掌をするのです。
また、仏事以外でも【食事】をする時には「いただきます。」と手を合わせますよね?
食事の時に手を合わせるのは、食べ物を【敬うべき対象】として見ているからです。
食卓に並んでいる食べ物は、さまざまな『命』や『自然の恵み』といったものです。
そのような《ありがたいもの》を頂くわけなので、手を合わせて身を清めてから食事をしましょう、ということなんですね。
《意味を知って合掌をすることが大事です》
お葬式やご法事では、大勢の人が集まって故人を弔います。
そして、参列者の全員が合掌をします。
しかし、その中のどれくらいの人が【合掌をすることの意味】を知っているのでしょう。
合掌は、ただ何となく手を合わせているのと、ちゃんとその意味を知っていて手を合わせるのとでは、合掌の質が変わります。
手を合わせて、『今、自分の身を清めているのだ。』と意識することによって、敬意と感謝と供養の気持ちが、ご先祖様や亡きご家族にしっかりと伝わります。
少し大げさかもしれませんが、意味を知った上での合掌は【本物の合掌】です。
そして、この記事を読んで下さったあなたは、もうそれができるはずです。
合掌は、仏事には欠かせない大事な作法です、合掌の意味を意識して【本物の合掌】で供養をして頂きたいと思います。
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