お葬式へ参列する際に包む【御霊前】や【御香典】には、新札ではなく、『旧札(=すでに流通している古いお札)』を使用するのがマナーです。
なぜなら、新札を使うと《故人の死を待っていた》かのような印象を故人のご家族に与えてしまうからです。
したがって、お葬式の時には《急なことで驚いた》という意味を込めて旧札を使用するのです。
では、これがお葬式ではなく、法事での【御仏前】の場合はどうなるのでしょうか?
法事は執り行われる日が予め知らされていますので、《急なこと》ではありません。
予定が分かっている以上は【御仏前】に新札で包むのがマナーなのか、あるいは【仏事はすべて旧札】で包むのがマナーなのか、どちらにすればよいのでしょう?
【御仏前】に新札と旧札のどちらを使うべきかというのは、人によってだいぶ意見が分かれるところですが、結論を言いますと【どちらでも大丈夫】です。
ですから、新札と旧札のどちらにするべきか、それぞれの意見を参考にして頂きあなたが決めてかまいません。
《【御仏前】には『新札』を使うべきという意見》
【御仏前】に関しては『新札』を使った方がいいという意見が比較的多いようです。
お葬式の時に旧札を使うのは、あくまで《突然のことなので急いで用意をした》という意味であり、それ以外はできるだけキレイな紙幣を使う方がいいと考えるのでしょう。
法事というのは前もって法要の日時が分かっていますので、新札を用意する時間が十分にあります。
ですから、「故人の供養のためのモノなのだから、できるだけキレイな紙幣を使ってあげたい」と考えるのは自然なことです。
《【御仏前】には『旧札』を使うべきという意見》
一方で御仏前には『旧札』を使った方がいいという意見もあります。
新札は【慶事(お祝い事)】の場面で使用されることが多いので、それを【弔事(不幸)】のイメージが強い仏事で使用するのは不適切と考えるのでしょう。
ですから、そのような考えの人にとっては【仏事で新札を使用するのは非常識】ということになります。
そうすると、「何か言われると嫌だから、旧札を使った方が無難だな」という判断をする人もいるのです。
《まとめ:【御仏前】は新札と旧札のどちらを使っても大丈夫ですが、『新札』がおすすめ》
法事へ参列する時に【御仏前】として包む紙幣は『新札』と『旧札』のどちらでもかまいません。
どちらでもかまわないのですが、強いて言うなら『新札』の方をおすすめします。
やはり、法事というのは予め日程が分かっているのですから、いろいろと準備をする時間があります。
どちらでもいいのであれば、施主としては渡されて気持ちがいいのは『新札』の方じゃないでしょうか?
また、故人のためのモノであることを考えると、【敬意】や【感謝の気持ち】を表すためにも、できるだけキレイな紙幣を使う方がいいと思いませんか?
というわけで、法事で包む【御仏前】には、『新札』でも『旧札』のどちらを使っても大丈夫ですが、強いて言うなら『新札』がおすすめです。