お墓参りの時に必ずお供えする『お線香』。
あなたはいつも、どのようにしてお線香を供えていますか?
お線香を供える時には基本的な『供え方』があります。
せっかくお線香を供えるのですから、『供え方』を知った上で心を込めてお供えましょう。
《お墓参りでのお線香の供え方》
では、さっそく、お墓参りの時の『お線香の供え方』を紹介します。
『お線香の供え方』について檀家様からよく頂く質問は、
- お線香の【本数】
- お線香の【向き】
です。
それぞれ紹介していきますので、次のお墓参りの時から意識をしてみて下さい。
〖お線香は何本供えればいいの?〗
お線香は、宗派によって【供える本数】に一応の決まりがあります。
一般的には、
- 真言宗:3本
- 天台宗:3本
- 浄土宗:1本
- 浄土真宗:1本
- 臨済宗:1本
- 曹洞宗:1本
- 日蓮宗:1本
とされています。
浄土宗や浄土真宗では1本の線香を2つに折って供えることもあります。
しかし、これらの本数は【仏壇のお線香立て】に供える場合です。
お墓参りで供えるお線香の数は何本でもかまいません。
お墓参りで使うお線香というのは、数十本のお線香が1束になって販売されていることがほとんどです。
すると、1本や3本を供えるだけだと、お線香がたくさん余ってしまいます。
だからといって、余ったお線香をまた次回に供える・・・なんていうことはしないでしょう。
ですから、お墓参りの場合は、数はあまり気にせず1束のお線香をお参りしている人たち分けてお供えすれば大丈夫です。
〖お線香を供える時の【向き】は?〗
次に、お墓へお線香を供えるときの【向き】について紹介いたします。
お線香を供える【向き】は、お墓にある香炉の形状によって違います。
お墓の香炉は、
- 縦向き(=地面に対して垂直方向)
- 横向き
の2つの形状があります。
『縦向き』の場合は、お線香へ火をつけたら、そのまま筒状の香炉へ立てて供えましょう。
『横向き』の場合は、お線香へ火をつけたら、火の着いている側が【お墓に向かって左側】になるように寝かせて供えましょう。
なぜ火の着いている側を【左側】にするのでしょうか?
火のついている側を左にすると、お線香が左から右へ徐々に燃えていきます。
これによって、【私たちの欲望を焼き払い、悟りに近づく努力をする】ということを表しているのです。
仏教では、左側が『欲望にまみれ、悟りを得ていない者(=私たち)』を象徴します。
反対の右側は『悟りを得た仏様』を象徴します。
また、お線香を供えることは【精進(しょうじん)】を表します。
【精進】とは『目標に向かって努力を続けること』です。
つまり、お線香の火が左から右へ燃え進むことによって、私たちの欲望を焼き払い、少しずつ悟りに近づいていくことを表現しているというわけです。
【関連記事】:お墓参りの基本的な作法や注意点。
《お線香をあげることの意味》
お墓参りの時にはお線香を必ずお供えしますが、なぜお線香を供えるのでしょう?
お線香やお焼香といった『お香』というのは、【仏様の食べ物】になると言われています。
厳密に言いますと、お香を焚いた時に出る『香り』が仏様の食べ物となるのです。
これを《香食(こうじき)》といいます。
ですから、お線香をあげることは、ご先祖様達に【お食事を召し上がって頂く】ということなのです。
お線香は、「どうぞ召し上がって下さい。」という気持ちで、心を込めて供えるようにしましょう。
【関連記事】:線香や焼香などの【お香】を供える意味
《まとめ》
お墓参りでお線香を供えるときには基本的な『供え方』があります。
お線香を供える時は、【本数】と【向き】を意識しましょう。
とはいうものの、お墓参りに関しては、お線香の【本数】は気にしなくてかまいません。
1束のお線香をお参りする人数で分けてお供えしましょう。
お線香の【向き】については香炉の形状に合わせて、
- 縦向きに供える場合は、火を着けたらそのまま筒状の香炉へ立てる
- 横向きに供える場合は、火の着いている側を【左】にして寝かせる
ということを意識してみて下さい。
お線香を供えることは、
- 仏様にお食事をして頂く
- 私たちの【精進をする決意】を表す
という意味があります。
せっかくお線香を供えるのなら、その意味を知っている方がより心のこもったお墓参りができます。
今回紹介したものは簡単な作法ではありますが、次回のお墓参りから意識をしてみてください。